I-PEX高温対応製品
自動運転の技術革新や環境に配慮したEVの普及により、電気的な動力が主流となりつつあります。自動車の高機能化に伴うデバイス搭載数の増加に対応するため、自動車開発は部品の小型軽量化や省スペース化に加え、高速伝送・大電流・高電圧への対応を迫られています。またデバイス搭載数の増加と大電流通電によるモジュール発熱の増加が相まって、筐体内の発熱密度が上がり、耐熱要求がますます上がってきています。
I-PEXは従来より85℃定格とする汎用コネクタや民生向け製品を多数取り揃えておりますが、近年の自動車分野を取り巻く環境変化や要求を受け、105℃から125℃の高温対応の製品も積極的に開発・販売しております。今後も高温対応のコネクタ開発に注力してまいります。
この記事では、高温対応が求められる各アプリケーションに最適な製品シリーズをご紹介します。
高温対応製品マトリックス
製品タイプ |
細線同軸/ディスクリートワイヤーコネクタ |
FPCコネクタ |
RF/同軸コネクタ |
|||
製品名 |
CABLINE®-VS II |
CABLINE®-CA II |
CABLINE®-CA II PLUS |
CABLINE®-UM |
CABLINE®-UMF |
MHF®-TI |
![]() |
![]() |
![]() |
|
![]() |
![]() |
|
耐熱性 |
105℃ |
105℃ |
105℃ |
105℃ |
105℃ |
105℃ |
ピッチ |
0.5 mm |
0.4 mm |
0.4 mm |
0.4 mm |
0.4 mm |
- |
高さ |
0.95 +/- 0.25 mm |
0.95 +/- 0.15 mm |
0.95 +0.25/-0.15 mm |
2.2 +/- 0.15 mm |
2.2 +/- 0.15 mm |
3.65 mm max. |
奥行 |
6.7 mm |
6.2 mm |
6.7 mm |
5 mm |
5 mm |
- |
製品タイプ |
FPC/FFCコネクタ |
|||||
製品名 |
MINIFLEX® 5-BFN II |
MINIFLEX® 5-BFN II LK |
MINIFLEX® 5-FF |
EVAFLEX® 5-VS Type CH |
EVAFLEX® 5-SE-G VT |
EVAFLEX® 5-SE |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
|
耐熱性 |
125℃ |
125℃ |
125℃* |
105℃ |
125℃ |
FFC: 85℃
|
ピッチ |
0.5 mm |
0.5 mm |
0.5 mm |
0.5 mm |
0.5 mm |
0.5 mm |
高さ |
1.0 +/- 0.1 mm |
1.0 +/- 0.1 mm |
2.55 +/- 0.2 mm |
1.9 +/- 0.1 mm |
6.6 +/- 0.3 mm |
2.4 +/- 0.2 mm |
奥行 |
3Actuator Open: 3.0 mm
|
Actuator Open: 3.0 mm
|
7Actuator Open: 6.4 mm
|
4.95 mm |
3.9 mm |
5.9 mm |
製品タイプ |
電源コネクタ/端子 |
|||||||
製品名 |
ISH® |
IARPB® |
AP-10 |
AP-TSS10,
|
||||
タイプ |
Horizontal |
Horizontal Type-
|
Vertical |
Wire to Wire |
Horizontal |
Vertical |
Vertical |
Vertical |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
||
耐熱性 |
125℃ |
125℃ |
125℃ |
125℃ |
125℃ |
125℃ |
105℃ |
125℃ |
ピッチ |
2.0 mm |
Signal: 2.0 mm
|
2.0 mm |
2.0 mm |
2.5 mm |
2.5 mm |
- | - |
高さ |
Single-row:
|
Double-row:
|
Double-row:
|
Single-row:
|
4 mm max. |
8.4 mm max. |
Receptacle: 11.7 +/- 0.2 mm, Plug (3531-0001-00T): 7.5 +/- 0.1 mm,
|
AP-TSS10: 8.0 +/- 0.1 mm
|
※一部のアイテムへの実施項目
I-PEXの高温対応コネクタの特徴
弊社では、長年にわたる開発経験と独自の設計技術をもとに、過酷な温度環境にも耐える高温対応コネクタを提供しています。125℃の高温下や長時間稼働が求められる用途でも、安定した電気的・機械的性能を維持する設計を採用しており、自動車・産業機器分野など、厳しい使用条件下でも高いパフォーマンスを発揮します。
1) 材料選定
弊社では加工性、熱伝導のよさに加え応力緩和特性に優れた材料、高温使用環境においても安定したばね特性をもち接触を確保できる材料を裁量選定しています。
製品の多くはリン青銅を使用したコンタクト材を採用している一方で、高温対応品には、高温に対応可能な合金を使用し、銅が本来持っている高い電気伝導性や熱伝導性大きく損なわずに強度を高めたものを使用しています。(※IARPB/AP-TSS10/AP-LT10は除く)
2) 設計
安定した電気的接触を維持するためには、コンタクトと接続物の間に一定以上の接触圧が必要不可欠です。当社では、接触部材に高温対応の金属材料を採用し、ばね形状に設計することで、適正な接触圧を長期間にわたり保持できる構造としています。特に、コネクタの繰り返しの抜き差し動作や、温度変化等による応力緩和が生じる環境下においても、所定の接触圧を維持できるよう、ばね特性を最適化した設計を行っています。これにより、過酷な使用条件下でも高い接触信頼性を確保することが可能です。

3) 信頼性試験項目
端子には耐熱性に優れた材料およびばね特性を考慮した設計を採用する事で熱による端子の変位を抑制し、安定した接触信頼性を確保しています。これにより、本製品は125℃の高温環境下においても安定した性能を維持することが可能です。温度サイクル試験(-55℃~+125℃、100サイクル)や耐熱性試験(125℃、1,000時間)などの車載デバイスに求められる厳しい試験を実施し、問題ないことを検証済みです。
*試験条件はコネクタにより異なり、各アイテムの評価内容テストレポートは下記リンクよりご確認ください。
| CABLINE®-VS II | TR-17060-06JP |
| CABLINE®-CA II | TR-15103-07JP |
| CABLINE®-CA II PLUS | TR-16075-02JP |
| CABLINE®-UM | TR-18067-09JP |
| MHF®-TI | TR-20007-03JP |
| MINIFLEX® 5-BFN II | TR-12124-06JP |
| MINIFLEX® 5-BFN II LK | TR-14132-07JP |
| MINIFLEX® 5-FF | TR-14129-08JP |
| EVAFLEX® 5-VS Type CH | TR-16039-04JP |
| EVAFLEX® 5-SE-G VT | TR-17100-03JP |
| EVAFLEX® 5-SE | TR-10048-10JP |
| ISH® Horizontal | Microsoft Word - STR-23002 ISH CONNECTOR(ノーマルロック) テストレポート_Rev.0 |
| ISH® Horizontal Type-Hybrid | Microsoft Word - STR-23015_ISH HYBRID CONNECTOR(ノーマルロック)_テストレポート_Rev.0 |
| ISH® Vertical | Microsoft Word - STR-23004 ISH・ISHV CONNECTOR LV214Test Report Rev.0 |
| ISH® Wire to Wire | Microsoft Word - STR-23003_ISH INLINE CONNECTER_テストレポート_Rev.0 |
| IARPB® Horizontal | TR-25025-02JP(STR-24002-02JP) |
| IARPB® Vertical |
| AP-10 | TR-19063-04JP |
| AP-TSS10 AP-LT10 |
TR-23036-02JP |
信頼性試験設備
当社では、電子コネクタの高温耐久性や信頼性を評価するため、各種高温試験設備を導入しています。温度環境に対する性能変化や材料劣化、接触抵抗値の安定性など、過酷な使用条件を想定した評価を実施可能です。
|
小型超低温恒温器 ![]() |
冷熱衝撃装置 ![]() |
|
小型冷熱衝撃装置 ![]() |
接触抵抗測定システム ![]() |
これらの設備を活用し、MIL規格やIEC規格をはじめとする各種国際規格にも準拠した信頼性評価試験が可能です。量産製品の品質保証はもちろん、新規開発段階での設計検証にも対応しています。
まとめ
“高温対応”というキーワードに対し、当社は 幅広いコネクタのラインアップ を用意し、高温環境下においても安定した電気接続性能を維持する製品群を展開しています。
とりわけ、本稿で詳細に取り上げたコネクタのノウハウは、後続開発や社内横展開に活用され全体の設計指針へと応用されています。今後も当社は、高温環境での厳しい要求に応えるべく、材料研究・熱解析・評価手法を一体化した開発プロセスを進化させ、お客様のニーズに対応するべく強力にサポートしてまいります























