基板対基板コネクタ
I-PEXの高密度・超小型・基板対基板コネクタは、最新の高速通信システムにおいて優れた信号品質(Signal Integrity)を提供します。NOVASTACK®シリーズは、複数の嵌合高さから選択可能で、電源信号伝送と最大20GHzの高速データ信号伝送の両方に対応しています。独自技術であるコネクタを360度金属シールドで覆ったZenShield®を搭載することで、高密度・高速度動作環境におけるEMI(電磁干渉)対策を実現します。また、コンパクトな基板設計に最適で、部品点数削減によるコストダウンにも貢献します。さらに、基板対基板コネクタとアダプタが搭載されたSIテストボードを提供しており、包括的な信号品質評価を包括的にサポートします。このページでは、製品の特長とメリットをご紹介しながら、基板対基板コネクタに関するよくある質問(FAQ)にお答えします。
目次
- 1. 最大動作周波数とデータレートは?
- 2. 基板対基板コネクタにおけるシールドの重要性とは?NOVASTACK®シリーズに搭載されているZenShield®とは?
- 3. なぜ基板対基板コネクタにおいて高密度設計が求められるのでしょうか?高密度設計は信号品質にどのような影響を与えるのでしょうか?
- 4. 高速信号伝送と並行して電源供給を基板対基板コネクタで行うことは可能ですか?定格電流はどの程度ですか?
- 5. 異なる嵌合高さの基板対基板コネクタを使用することには、どのような利点がありますか?
- 6. NOVASTACK®シリーズが対応する主要な伝送規格およびプロトコル信号は何ですか?
- 7. NOVASTACK®にはどのようなアクセサリが用意されていますか?
- 8. 基板対基板コネクタのカスタム対応はできますか?
1. 最大動作周波数とデータレートは?
データレートは、小型かつ高性能な電子機器において重要な役割を果たします。複数のプリント基板を高密度に積層した小型電子機器では、最適な性能を得るために基板間を行き来する信号のデータレートを高く維持することが重要です。データレートは通常、最大動作周波数によって決まり、Gbps単位で表されます。NOVASTACK®シリーズは最大20 GHzの周波数に対応し、PAM4信号方式を用いることで最大80 Gbpsのデータレートを伝送可能です。
NOVASTACK®シリーズは、USB、MIPI、LVDS、eDP、Thunderbolt、PCIeなどの一般的なプロトコルに対応しています。
2. 基板対基板コネクタにおけるシールドの重要性とは?NOVASTACK®シリーズに搭載されているZenShield®とは?
高性能な基板対基板コネクタにおけるシールドの目的は、周辺部品から発生する電磁波がコネクタ内部の信号に干渉するのを防ぎ、同時にコネクタ内部の信号から生じる電磁波が外部に放射され近接する回路に影響を与えないようにすることです。NOVASTACK®シリーズに採用されているZenShield®は、コネクタの360°全方位を金属製のシールドが囲うEMC/EMIシールド構造であり、プラグ・レセプタクルの接点部だけでなく、SMT実装部からの電磁ノイズの放射も遮蔽します。
3. なぜ基板対基板コネクタにおいて高密度設計が求められるのでしょうか?高密度設計は信号品質にどのような影響を与えるのでしょうか?
NOVASTACK®シリーズは、最小0.35 mmピッチ、既存対応芯数は10ピンから70ピンまで用意された高密度・超小型コネクタです。高い接続信頼性を保ちながら機器の軽量化・省スペース化の実現に寄与します。より小さく、より軽量にする設計が重要となるモバイル機器やIoTデバイスに最適です。コネクタの嵌合高さは0.6 mm〜1.5 mmの範囲で選択でき、柔軟な設計が可能です。さらに、電源ピンを搭載したモデルでは、1ピンあたり最大1 Aの電流供給が可能で、専用の電源コネクタが省略できることから、基板設計の最適化とコスト削減を実現します。
4. 高速信号伝送と並行して電源供給を基板対基板コネクタで行うことは可能ですか?定格電流はどの程度ですか?
高性能・小型化が進む電子機器では、基板間での高電流伝送が求められており、信号品質を損なわずに電力供給を行うことが設計上の重要課題となっています。NOVASTACK®シリーズは、信号ピンと電源ピンをそれぞれ搭載したコネクタを提供しており、高電流対応コネクタでは1ピンあたり最大6 Aの電流供給が可能です。ホールドダウンやパワーピン、高電流対応ピンを備えることで、電流専用コネクタの省略が可能となり、基板スペースの効率化と熱設計の最適化に貢献します。
5. 異なる嵌合高さの基板対基板コネクタを使用することには、どのような利点がありますか?
6. NOVASTACK®シリーズが対応する主要な伝送規格およびプロトコル信号は何ですか?
NOVASTACK®シリーズは、USB、MIPI、PCIe、Thunderbolt、LVDS、eDPなど、主要な高速信号規格に対応しております。I-PEXのウェブサイトにて、用途に適したコネクタをお選びいただけます。
7. NOVASTACK®にはどのようなアクセサリが用意されていますか?
FPCハーネス全体やコネクタ単体の伝送特性評価にご使用いただけるNOVASTACK® 35-HDH、NOVASTACK® 35-HDP、NOVASTACK® 35-HDN用のSIテストボードを提供しています。各テストボードには、片面にプラグまたはレセプタクルが実装され、反対側には2.92 mmアダプタが取り付けられています。プラグ、レセプタクルのコンタクトは高速信号伝送用の配線を通じて2.92 mmアダプタに接続されています。
8. 基板対基板コネクタのカスタム対応はできますか?
I-PEXでは、お客様のご要望に応じた基板対基板コネクタのカスタム対応を行っています。伝送信号や基板レイアウトに合わせて、データレート、芯数、コネクタサイズ、嵌合高さ、信号ピンの有無などを柔軟に設計いたします。また、ノイズを気にされる用途向けには、シールド対策を行います。