高い設計自由度

アンテナシステムの有効性は、無線回路とアンテナ素子との間で電力がどれだけ効率よく伝送されるかに依存します。同軸接続部の挿入損失が大きい場合、送信電力の相当部分がアンテナから放射される代わりに、ケーブル内で熱として消費されてしまいます。同様に、受信時には、微弱な受信RF信号の一部が受信機フロントエンドに到達する前に失われ、その結果、感度および信号対雑音比 (SNR) が低下します。

 

I-PEXは、挿入損失および最小曲げ半径に関する特定の要件を満たすように設計された、さまざまなケーブル径をラインナップしています。この多様性により、ワイヤレス機器内部のコネクティビティ設計における柔軟性が確保されます。MHF®コネクタの種類に応じて、同軸ケーブルの外径は0.48 mm (MHF® 5) から3.0 mm (MHF®-TI) まで幅があります。
同時に、ユーザーはアプリケーションにおいて要求されるケーブルの最小曲げ半径に基づいて、適切なサイズの同軸ケーブルを選択することもできます。規定された最小曲げ半径はハーネスの柔軟性を決定し、設計におけるケーブルの最適な配線において重要な役割を果たします。

 

挿入損失は、送信側から受信側へ伝送される過程において、同軸媒体内で熱として失われる高周波信号の量を指します。中心導体が細くなるほど挿入損失は大きくなり、同様に、同軸ケーブルが長くなるほど挿入損失も増加します。同軸ケーブルにおける挿入損失は、ケーブル全体の長さが増加するにつれても増大します。また、周波数が高くなると、中心導体のサイズが同一であってもスキン効果により挿入損失はさらに増加します。
スキン効果とは、高周波交流信号の大部分が導電材料の表面側に集中して流れるため、その結果、中心導体の有効断面積が減少して信号損失が増加する現象です。同軸ハーネスの長さによる代表的な挿入損失値を以下に示します。

Figure 1. Variation In Insertion Loss of MHF Harness with Length at Different Frequencies
図1. 周波数別 MHF ®ハーネス各種の挿入損失変化

 

細線同軸ケーブルには最小曲げ半径が規定されており、このパラメータは、ケーブルが損傷することなく、かつ高いシグナルインテグリティを確保したまま、どの程度まで繰り返し曲げることができるかを決定します。最小曲げ半径は通常ミリメートル単位で規定されており、MHF®シリーズコネクタで使用される各種サイズの同軸ケーブルについて、その値が以下に示されています。

Installed Minimum Bend Radius
図2. MHF ®シリーズハーネスで使用される各種同軸ケーブルの最小曲げ半径

 

I-PEX RFコネクタの特長と利点