細線同軸ハーネスジャンパー接続と低伝送損失基板接続の伝送優位性比較

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目次 : 


1) 内部ロス値の参考規格:ロスバジェット
2) USB4 (20 Gbps(10 GHz)/Lane)の代表的な内部接続方法
3) 細線同軸ハーネスジャンパー接続と低伝送損失基板接続の伝送優位性比較結果
4) I-PEXの高速伝送対応細線同軸コネクタ
5) 試験条件

 

内部ロス値の参考規格:ロスバジェット


近年はノートパソコンやタブレット、スマートフォンなどの身近なコンシューマ製品端末で高画質な画像や映像などを手軽に楽しめるようになりました。それに伴い、機器内で処理が必要なデータ量も飛躍的に増加し、信号速度(伝送規格)も年々高速化しています。

しかし、伝送する信号が高速化すると、伝送経路で発生するロス(導体損失や誘電体損失など)が大きくなるため、信号伝送が難しくなります。そのため、伝送規格によってはロスバジェットと呼ばれる内部ロス値の参考規格が存在します。例えば、20 Gbps(10 GHz)/Laneの高速伝送規格であるUSB4(*注1)規格Ver.1.0(Thunderbolt 4(*注2))の場合、下記イメージ図のように、機器A側、ケーブル、機器B側は各-7.5 dBに規定されています。

*注1:USB4は、USB-IF規格団体で定義している規格名です。
*注2:Thunderbolt 4は、インテルが開発した高速汎用データ伝送技術です。
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USB4 外部接続イメージ図(実際の物とは異なります)

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USB4 (20 Gbps(10 GHz)/Lane)の代表的な内部接続方法


伝送距離が長いほど伝送経路で発生するロスは大きくなるため、ある程度の伝送距離であれば①低伝送損失基板を使用することによりUSB4等の高速信号伝送を行うことができます。機器内部でロスバジェット-7.5 dB以内でより長い距離を伝送できると、筐体内電子部品配置の自由度が上がります。しかし、伝送距離が長くなると、ロスバジェット内で信号伝送を行うことが難しくなるため、伝送経路で発生するロスを抑える対策が必要になります。

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より低伝送損失素材を用いた基板を使用して伝送距離を延ばすことも可能ですが、量産製品の場合、高価な超低伝送損失基板を使用することは大幅なコスト増加に繋がってしまいます。そのため、更に伝送距離を延ばしたい場合、②高速伝送が必要な伝送経路のみ高速伝送に適したジャンパー伝送経路を使用したり、③減衰した信号波形に補正をかけて、元の波形を再現するRetimer ICを使用したりするなど、ロスを抑えながら必要な伝送距離を延ばす対策が検討されます。


今回は、①低伝送損失基板による伝送と②細線同軸ハーネスジャンパーによる伝送のロス比較テストを実施しました。

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細線同軸ハーネスジャンパー接続と低伝送損失基板接続の伝送優位性比較結果


  1. 伝送のロス比較
    CABLINE®-VS II の細線同軸ハーネスジャンパー < 低伝送損失基板
     
  2. 伝送可能距離 (USB4(Thunderbolt 4)規格(20 Gbps (10 GHz)/Lane時)
    CABLINE®-VS II の細線同軸ハーネスジャンパー > 低伝送損失基板
    (ア)    細線同軸ハーネスジャンパーによる伝送:2インチ、4インチ、8インチ、10インチ
    (イ)    低伝送損失基板による伝送:2インチ、4インチ
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上記実測値より、各伝送経路にてロス-7.5 dBの最大伝送可能長さの計算値(参考)
いずれの伝送速度においても、CABLINE®-VS II細線同軸ハーネスジャンパーは低伝送損失基板による伝送より約2~3倍長い距離を伝送できることが確認できました。

 

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まとめ

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I-PEXの高速伝送対応細線同軸コネクタ


USB4 (20 Gbps(10 GHz)/Lane)向けジャンパー接続に最適なEMCシールド&メカニカルロック付き細線同軸コネクタ

  • CABLINE®-VS II (今回の測定にて使用)
    0.5 mmピッチ, 水平嵌合タイプ
  • CABLINE®-CA II
    0.4 mmピッチ, 水平嵌合タイプ (狭小スペースタイプ)
  • CABLINE®-CA II PLUS
    0.4 mmピッチ, 水平嵌合タイプ (Wider Space タイプ)
  • CABLINE®-UM
    0.4 mmピッチ, ライトアングル縦嵌合タイプ

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試験条件


  1. 低伝送損失基板*
    基板誘電率:3.7 
    (*一般的なFR-4基板の誘電率は4.7~5.0程度)
  2. 細線同軸ハーネスの仕様:Article-image_6_MCXvsPCB_J.PNG

     

  • 伝送方式:差動伝送
  • 試験装置:ネットワークアナライザ Keysight technologies  E5071C
  • 測定周波数 : 20MHz~20GHz
  • 測定Position :1,2,3,4  (G,S,S,G) 

 

サンプルイメージ

2, 4, 8, 10インチの長さ違いの低伝送損失基板とCABLINE®-VS II 細線同軸ハーネスジャンパーを作成し、インサーションロスの比較を実施

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サンプル写真

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