シグナルインテグリティ性能
データレートが 1 Gbpsを超え、立ち上がり時間が 500 ps未満になるような高速デジタルインターフェースでは、シグナルインテグリティ(SI)が設計上の重要な課題となります。FPC/FFC配線は、平面的かつ並行に配置された導体構造を持つため、シールド効果が限定的で、インピーダンス制御にも制約があります。その結果、クロストークが大きく、EMIの影響を受けやすくなります。そのため、高速伝送環境において安定した性能を実現するためには、優れたシグナルインテグリティ特性を備えたコネクタの採用が不可欠です。
EVAFLEX®シリーズは、シールド付きおよび非シールドの一般的なFPC/FFCの両方に使用可能で、低い挿入損失 (Insertion loss) および反射損失 (Return loss) 特性を持ち、最大24+Gbpsまでの高速信号に対応しています。EVAFLEX®は精密なインピーダンス制御、グランドコンタクトの最適配置、そして厳格な製造品質管理によって、優れた高速伝送性能を実現しています。TDR特性の向上に加え、高速信号伝送時にも良好なアイパターンを維持することで、ビットエラーレートを最小限に抑え、高品質かつ高信頼なデータ伝送を可能にします。
一般的に、1 Gbpsを超える高速信号伝送においては、シールド付きFPC/FFCは標準的な非シールドFPC/FFCと比較して優れたシグナルインテグリティ性能を発揮します。一方で、FPC/FFCの曲げ状態や製造ばらつきによって、インピーダンス特性に変動が生じる場合があります。また、クロストーク、挿入損失、反射損失、信号ジッタ、伝搬遅延などは、FPC/FFCインターコネクトのシグナルインテグリティ性能を評価する上で重要な指標となります。
反射損失は、インピーダンスの不整合によって反射される信号の程度を示す指標であり、信号がどれだけ効率よく伝送されているかを表します。挿入損失は、信号が伝送経路を通過する際に失われる電力であり、導体損失、誘電体損失、および伝送媒体内での放射損失などによって生じます。EVAFLEX®とシールドFPCインターの組み合わせは、多点グランド接点により、挿入損失、反射損失、およびEMIノイズを低減し、高い信号品質を実現します。
図1は、EVAFLEX 5®-HDと85 Ωで整合した長さ100 mmのシールドFPCの組み合わせの反射損失と挿入損失を示しています。このデータが示すように、EVAFLEX® 5-HDは24 Gbps/laneに対応しています。しかし、これはFPCやFFCの性能の影響をうけることもあります。
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測定結果 |
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図1. EVAFLEX® 5-HDとFPCの組み合わせにおける反射損失および挿入損失
TDR (Time Domain Reflectometry) 測定は、高速信号が伝送路を伝搬する際のインピーダンス変化を評価する手法です。FFC/FPC、コネクタ、および基板配線を含む伝送経路全体のインピーダンス整合状態を確認することができます。
図2に、EVAFLEX® 5-HDコネクタとシールド付きFPCの組み合わせでのTDRシミュレーション結果を示します。最大30 GHzの高周波帯域においても良好なインピーダンス特性を維持し、高速データ伝送に適した性能を実現しています。
コネクタにおける差動インピーダンスは、目標値である100 Ω付近で安定して推移しており、インピーダンス変動も極めて小さいおさえられています。この結果から、EVAFLEX® 5-HDコネクタが優れたインピーダンス整合性と均一な伝送特性を備えていることが確認できます。
アイダイアグラム(アイパターン)は、高速伝送における信号品質を総合的に評価するための代表的な解析手法です。主な評価指標として、ノイズマージンを示すアイハイト (Eye Height) と、タイミングマージンを示すアイ幅 (Eye Width) があります。また、アイダイアグラムは信号タイミングの変動であるジッタ (Jitter) の評価にも用いられます。ジッタにはランダム成分と決定論的成分があり、増加するとタイミングマージンを低下させ、ビットエラーレート (BER) の悪化につながります。
図3に、I-PEX EVAFLEX® 5-SE-G VTとシールドFFCの組み合わせでのアイパターンを示します。4 Gbpsまでのデータレートで広いアイ開口が確認され、優れた信号品質と十分なタイミングマージンを実現しています。また、ジッタも最小限に抑えられています。
