高密度性
NOVASTACK®シリーズは、最小0.35 mmピッチ、既存対応芯数は10ピンから70ピンまで用意された高密度・超小型コネクタです。高い接続信頼性を保ちながら機器の軽量化・省スペース化の実現に寄与します。より小さく、より軽量にする設計が重要となるモバイル機器やIoTデバイスに最適です。コネクタの嵌合高さは0.6 mm〜1.5 mmの範囲で選択でき、柔軟な設計が可能です。さらに、電源ピンを搭載したモデルでは、1ピンあたり最大1 Aの電流供給が可能で、専用の電源コネクタが省略できることから基板設計の最適化とコスト削減を実現します。
1 GHz以上の周波数においては、高速信号は外部信号からシールドされる必要があります。そのために高速信号をシールドされたコネクタ内におさめることで、外部からのノイズや干渉を防ぎ、信号品質を保つことができます。シールドのないコネクタに外付けの金属シールドカバーをつけることがしばしばありますが、その結果、余計な基板スペースが必要になり、部品コストの上昇にもつながります。さらに、基板設計者は外付けのシールドカバーを自体を設計し、コネクタとの距離を最適化した基板設計を考える手間も生じます。360°全方位金属シールドZenShield®を搭載したNOVASTACK®は基板スペースとコストを削減し、設計作業を最小限に抑えることで、市場投入までの時間短縮に貢献します。また芯数のラインナップが豊富なため、基板設計に柔軟性を提供します。基板対基板コネクタとFPCの組み合わせはファインピッチ接続を可能にし、限られたスペースにより多くの配線を通すことが出来ます。加えて基板同士の接続に柔軟性を与えるため、かさばりがちなケーブルや柔軟性のない接続箇所を減らすことができます。
高密度コネクタは、コンパクトで軽量な形状に多数のピンを搭載することが可能ながら、高速データ通信において高い信号品質を維持します。ピン数が増えると、コネクタサイズを抑えるためにピン間の距離(ピッチ)を狭くする必要がありますが、そのトレードオフとして信号間のクロストークを抑えるのが難しくなります。10 Gbpsを超える高速通信では、隣接するディファレンシャル信号間の干渉を防ぐために、ディファレンシャルペアの間にグランドピンを追加する必要がある場合があります(図1参照)。特に、VESA DP UHBR 20のような高速プロトコルでは、低速なNRZ信号と比べてディファレンシャル間のクロストークが発生しやすくなります。NOVASTACK®シリーズは対応芯数が豊富なため、用途に応じた最適なコネクタの選択が可能です。また、高密度な接続により信号経路を短くでき、信号損失の低減と信号品質の向上につながります。

多くの基板間接続では、FPCと基板対基板コネクタの組み合わせが採用されています。垂直嵌合の基板対基板コネクタは、高速信号・制御信号・電源ラインをFPCの複数層に配線できるため、コネクタによってFPCの層数や厚みが制限されるZIFコネクタよりも柔軟性があります。一方で、基板対基板コネクタはプラグとレセプタクルを嵌合する際の位置合わせが難しくなることがあります。これは、FPCによりプラグが隠れてしまい、さらに下にあるレセプタクルが見えにくくなるためです(図3参照)。

そのため、NOVASTACK®は嵌合位置合わせカイドの機構を搭載しており、プラグとレセプタクルをスライドさせることで感覚的に適切な嵌合位置に誘導します(図4参照)。
誘導 適切な位置に配置 押してロック | |
プラグ
レセプタクル |
![]() 嵌合位置 嵌合した状態 |
図4. 基板間コネクタガイド機能
目次
- 1. 最大動作周波数とデータレートは?
- 2. 基板対基板コネクタにおけるシールドの重要性とは?NOVASTACK®シリーズに搭載されているZenShield®とは?
- 3. なぜ基板対基板コネクタにおいて高密度設計が求められるのでしょうか?高密度設計は信号品質にどのような影響を与えるのでしょうか?
- 4. 高速信号伝送と並行して電源供給を基板対基板コネクタで行うことは可能ですか?定格電流はどの程度ですか?
- 5. 異なる嵌合高さの基板対基板コネクタを使用することには、どのような利点がありますか?
- 6. NOVASTACK®シリーズが対応する主要な伝送規格およびプロトコル信号は何ですか?
- 7. NOVASTACK®にはどのようなアクセサリが用意されていますか?
- 8. 基板対基板コネクタのカスタム対応はできますか?