未来の診断ディスプレイを実現するコネクタ
患者診断用ディスプレイ
病棟から在宅ケアに至るまで、患者診断用ディスプレイは、医療情報を明確かつタイムリーに提示するうえで不可欠です。これらのディスプレイには、患者のベッドサイドに設置された多機能モニターから、医師が使用する専門的な診断用ワークステーションまで、幅広いものが含まれます。病院では、ベッドサイドモニターが患者のバイタルサインを継続的に表示し、多くの場合は患者の近くに設置されたコンパクトな画面で確認できます。最新のシステムでは、複数の機器 ― 例えば人工呼吸器や輸液ポンプ ― からのデータを一つのディスプレイや中央ダッシュボードに統合し、看護師や医師が患者の状態を包括的に把握できるようになっています。集中治療室(ICU)では、中央ダッシュボードによってスタッフが複数の患者を同時に監視することが可能です。さらに病院外でも、医師や患者はタブレットやスマートフォンを用いて、接続された機器から送られる診断データを閲覧できます。
明瞭性と信頼性
臨床判断はこれらのディスプレイに依存しているため、非常に高い信頼性と視認性が求められます。診断画像や病理検査には、高解像度かつ正確な色調整が施されたスクリーンが使用されます。例えば放射線科医は、X線やMRIを読む際に 500万画素(あるいはそれ以上)のグレースケールモニターを用い、細部を見落とさないようにしています。スクリーンと同じくらい重要なのが、その背後にある接続性です。これらのディスプレイに供給されるデータは、リアルタイムかつ途切れることなく更新される必要があります。そこで堅牢なコネクタやネットワークインターフェースが重要になります。ベッドサイドモニターは、しばしばイーサネットやWi-Fiを介して中央システムに接続し、電子カルテにデータを記録します。そのため、アンテナコネクタ(例えば無線モジュール用のI-PEX MHF®)やセキュアなイーサネットポートが設計に組み込まれています。機器内部では、高密度基板コネクタやケーブルアッセンブリが、さまざまなセンサー入力をディスプレイコントローラーへと接続しています。I-PEX NOVASTACK® 基板対基板コネクタは、コンパクトなモニター内部でモジュール式の測定基板を積層する用途に用いることができ、新しいセンサーモジュールを追加してアップグレード可能な柔軟な設計を実現します。同様に、EVAFLEX® FPC/FFCコネクタは、薄型でフレキシブルなケーブルを介して小型LCDスクリーンやインジケーターパネルを接続することができ、従来の配線に比べてスペースと重量を節約できます。

モジュール性と携帯性
患者監視機器は、よりモジュール化され、携帯性を高めつつあります。多くのベッドサイドモニターは現在、さまざまな測定用のプラグアンドプレイ式モジュールを使用しています。例えば、必要に応じてメインモニターにドッキングするCO₂センサーや心拍出量ユニットなどです。このモジュール性を実現するには、モジュールを接続するための信頼性の高いドッキングコネクタが必要です。I-PEX MINIDOCK™シリーズのようなコネクタはこの役割を果たし、ポータブルモジュールとホスト機器の間で多数の端子を備えた耐久性のあるインターフェースを提供します。これらのドッキングコネクタには、正しい嵌合を確実にするためのガイドピンやロック機構が備えられており、モジュールを毎日交換しても故障しないよう、多数回の着脱に耐える設計になっています。携帯性もまた重要です。ハンドヘルド超音波診断装置やウェアラブル生体情報モニターのような機器では、電力やデータ伝送のために小型で堅牢なコネクタが用いられ、患者とともに移動できるようになっています。固定型であれ携帯型であれ、患者診断用ディスプレイは、コンパクトさと信頼性を両立させたコネクタソリューションの恩恵を受けています。
ヘルスケア4.0の時代において、患者監視や診断用ディスプレイはこれまで以上に接続性が高く、ユーザー中心のものとなっています。MHF®によるワイヤレス接続から、MINIDOCK™によるモジュール式ドッキングに至るまで、高品質なコネクタを活用することで、設計者はこれらの重要なディスプレイシステムの信頼性を確保できます。その結果、情報は途切れることなくシームレスに流れ、医療従事者は正確で最新のデータを画面上で取得でき、患者は場所を問わず安全にモニタリングされることが可能になります。