作業性・信頼性・サイズで妥協しないコネクタの選び方

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電子機器の小型化、薄型化のトレンドはとどまることを知りません。今後、スマート社会、ビックデータ社会がより深化していくと共に我々の周りにある電子機器の数が増え、また数の増加に比例するように電子機器の小型化、薄型化の傾向はより一層進んでいくでしょう。

小型化、薄型化に伴い、電子機器内の電子部品を配置できるスペースが限られていく中、コネクタも小型、低背化への進化を進めてきました。しかし、コネクタが小型、低背化することにより狭いスペースでも使用できるというメリットが生じる一方で、取り扱いが難しくなったり、使用箇所によっては接続信頼性に不安を覚えたりすることもあるかもしれません。

そこでI-PEXでは嵌合高さが様々なコネクタを幅広くラインナップすることにより、様々なデザインやユースケースにお応えいたします。

このページでは、あなたの探し求めている”ちょうどいい“サイズの一つであることを願いつつ、小型サイズと機能性を兼ね備えた嵌合高さ1.5 mm 基板対基板コネクタを紹介します。

 

嵌合高さ1.5mm 基板対基板コネクタの特長


嵌合高さ1.5mm 基板対基板コネクタのメリットは嵌合作業性の良さと接続信頼性が高いことが挙げられます。
※嵌合とは、コネクタのPLUG(オス側)とRECEPTACLE(メス側)をはめあうことを言います。

 

優れた嵌合作業性

実のところ嵌合作業性の良さは人それぞれ異なる感覚の領域なので、なかなか定量化は難しいですが、主に以下の要因により決められます。

・クリック感による直感的な操作

PLUGコネクタをRECEPTACLEコネクタに挿入する際に感じるクリック感により、コネクタ同士がしっかりと嵌合されたことを確認することが出来ます。
それにより嵌合後の追加重によるコネクタの破損を防止し、コネクタ同士がしっかりと嵌合できていない半嵌合状態による接続不良も防ぎます。

嵌合時のクリック感を出す主な方法の一つとして、コンタクトや金属シェルに配置したバネ構造の活用があります。
背の高いコネクタはバネ構造を長くとることが出来る為、優れたクリック感を維持することが可能です。

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・嵌合ガイドで適切な嵌合位置へ誘導

基板対基板コネクタは嵌合作業時にコネクタが基板やFPCに隠れてしまうため、どうしても目視下での嵌合ができません。
その際に重要になるのが、コネクタ同士を適切な位置で嵌合させる為のガイドです。
背の高いコネクタは背の低いコネクタに比べ設計上ガイドを設けやすく、ブラインドメイティングの状況でも手探りで最適な嵌合をすることができます。

 

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また嵌合作業性に優れたコネクタは様々な問題を解決します。

嵌合作業性に優れたコネクタを選定して頂くことで、量産工場での組み立て不良率の下げ、全体的な生産コストの低減に寄与します。また近年ESGやSDGsに対する考え方が一般的になってきており、電子機器をユーザーが修理して長く使用する傾向にあります。

そこで日常的にコネクタを取り扱わないユーザーが修理を行う際、作業性の悪いコネクタを操作することでコネクタの破損につながるケースも考えられます。嵌合作業のしやすいコネクタを選定頂くことで、そのようなトラブルを避ける一因にもなると考えています。
 

高い接続信頼性


接続信頼性とはコネクタコンタクトの物理的な接触が確実であることを示す指標です。
コネクタが高い接続信頼性を保つことで、安定した信号伝送や電力供給を実現します。

・長い有効嵌合長で安定の接続を

基本的に嵌合高さの高いコネクタの方がコンタクトの有効嵌合長を長くとることが出来るので、高い接続信頼性を持ちます。
その為、電子機器内での振動や衝撃により、コネクタの嵌合が多少ずれても、有効嵌合長の範囲内のズレであれば、接続を保つことができます。

また、有効嵌合長が長いことでコネクタ挿入時に異物(コンタミ)を排除する機能も増します。
コネクタのコンタクトに異物があることにより接触不良や信号の乱れ、故障などに繋がる可能性がありますが、長い有効嵌合長はワイピング効果が高く、仮にコンタクトにコンタミが付着していた場合でもそれらを払いのけ、電気や信号の導通経路を確保します。

※ワイピング効果とは、コネクタ嵌合時にコンタクトが異物(コンタミ)を除去する作用のことです。

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・FPCによる応力をうけても嵌合をキープ 

また、近年信号の伝送スピードがどんどん速くなるに伴い必要に応じてFPCの硬さが増してきました。
そのためコネクタが配置される場所やFPCの引き回しの方法により常にコネクタに対しFPCの応力がかかり嵌合が外れる方向にプレッシャーがかかることがあります。
そのような箇所での使用も嵌合保持力に優れた背の高いコネクタが有効です。

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嵌合高さ1.5mm基板対基板コネクタは、コネクタの本質である「つなぐ」機能において信頼できます。

コネクタの一番大切な役割は信号をつなげることです。
有効嵌合長が長く、嵌合保持力の高い嵌合高さ1.5mm基板対基板コネクタは、大切な信号をしっかりと届けます。

I-PEXでは現在嵌合高さ1.5 mmの基板対基板コネクタを2種類ご用意しています。
更にピッチ寸法、奥行寸法共に非常にコンパクトなコネクタとなっており、基板上の省スペース化に寄与します。

コンパクトなのに、嵌合作業性に優れ、接続信頼性が高い正に「ちょうどいい」I-PEXの嵌合高さ1.5mm基板対基板コネクタを是非ご検討ください。

 

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