細線同軸ハーネスデザインのキーポイント
本記事は、I-PEX CABLINE®シリーズ細線同軸ハーネス設計について重要なデザインのキーポイントについて説明します。本ガイドラインに従うことによりシグナルインテグリティ性能を向上させ、EMIの問題を軽減し、品質信頼性の高いハーネス製品を実現することが可能となります。

1. 適用ケーブル
CABLINE®シリーズコネクタは、以下のケーブルをサポートします。
細線同軸ケーブル
細線同軸ケーブルは、高周波信号の伝送用に設計されており、電磁干渉(EMI)に対する優れたシールド性能を備えています。
一般的な構造は、以下の通りです。
• 中心導体 (信号伝送)
• 誘電体 (絶縁)
• 外部導体/シールド(グランドパス)
• ジャケット
特性インピーダンスが42.5 ohm、45 ohm、50 ohmに制御されたものが一般的で電源線用に30 ohmのオプションもあります。
Twinaxialケーブル
Twinaxialケーブルは差動伝送に使用され次のような特徴があります。
• Low skew
• Low loss
• High-speed performance
代表的な差動インピーダンスは85 ohm、90 ohm、100 ohmです。
ディスクリートケーブル
ディスクリートケーブルは主に電源用に使用され、特性インピーダンスは制御されていません。
CABLINE®シリーズコネクタおよび適用ケーブルに関する情報は、以下のリンクからご覧いただけます。
参考資料: 製品マトリックス
2. ケーブルサイズ (AWG)
AWG (American Wire Gauge)はケーブル導体の大きさを表し、AWGの数値が大きいほど直径が小さくなります。
ケーブルの適切な選定は、以下の点に影響します。
• 電気的性能
• コネクタピッチとの互換性
中心導体 : 7芯撚り線タイプ
AWG サイズ (American Wire Gauge) は電線(導体)の大きさ(直径または断面積)を表す規格です。
ケーブルに関するより詳しい情報については、こちらのリンクをご参照ください:細線同軸コネクタ選定のコツ
3. グランドバー、グランドフィンガーの役割と効果
グランドバーは、ケーブルの外部シールドとコネクタのシェルを接続させ安定したグランド経路を確保します。
• 適切な電流の帰路を確保する
• EMI性能を向上させる
コネクタのグランド経路を以下の図にて示します。コネクタ嵌合時にプラグとレセプタクルのシールド間で適切な多点でのグランド接続を行うとともにPCBへのグランド接地も確保することで、十分な電流の帰路を確保しています。このグランド接地構造により、外部からの電磁ノイズからの保護が図られるほか、コネクタ内部の信号によって発生する電磁ノイズが周囲の環境へ放射されるのを防止します。
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グランドバーは上側と下側の両方を使用する必要があります。
両側のグランドバーを使用しないと次のような問題が発生する可能性があります。
下側グランドバーのみを使用する場合
シェルは下側グランドバーのみに半田付けされているため、コネクタを抜去する際上側のシェルが半田で固定されていない為、上側のシェルが外れる不具合が発生する可能性があります。

上側グランドバーのみを使用する場合
下側グランドバーが無い場合、コネクタにケーブルをセットする時にケーブルが傾いてしまう可能性があります。それによりケーブルがピッチ方向にずれて半田ブリッジによる短絡不具合が発生する可能性が高くなります。
両側グランドバーを使用する場合
両側グランドバーを使用することが正しい使い方となります。

SIパフォーマンスについて片側グランドバーよりも両側グランドバーを使用した方が優れた性能を発揮します。
グランドフィンガーの役割と効果
グランドフィンガーは信号線の間に設定します。
利点:
• 共振周波数をより高い周波数へシフトさせる
• クロストーク(NEXT/FEXT)の低減
• GSSG構造を採用し、シールド性能を向上させる
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グランドフィンガー有りの製品は、グランドフィンガー無しの製品と比較しクロストーク性能が向上します。
グランドフィンガー無し
グランドフィンガー有り
4. ハイブリッドハーネスに関する重要な注意事項
細線同軸ケーブルとディスクリートケーブルを併用する場合
→ 細線同軸ケーブルとディスクリートケーブルの間に1ピン分のブランクが必要です。
目的:
• グランドバーとディスクリートケーブルの干渉を防ぐ
• ケーブルピッチのずれを防ぐ
• 短絡や導通不良のリスクを低減する
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5. ケーブル配線に関する重要な注意事項
ケーブルの中心導体は、半田付け時にコネクタの端子幅内に収まる必要があります。
端子幅に中心導体が収まらないと短絡のリスクが高まります。
ピッチとは、コネクタ上の隣接するピン間の距離を指します。
細線同軸コネクタの場合、コネクタのピッチによって使用可能なケーブルの最大外径が決まります。
規定に適合しない大きいケーブルを使用すると、短絡不具合のリスクが大幅に高まります。
| ピッチ | 最大ケーブル外径 |
| 0.5 mm | 0.5 mm |
| 0.4 mm | 0.4 mm |
ピッチより大きいケーブルを使用すると、次のような不具合が発生する可能性があります。
• 短絡
• ハーネス組み立て上の不具合
例1:
コネクタ0.5 mmピッチに対する対応ケーブルの最大外径は 0.5 mm

例2:
コネクタ0.4 mmピッチに対する対応ケーブルの最大外径は 0.4 mm
参考資料: 細線同軸コネクタ選定のコツ
6. シェルおよびロックバーの組み立てに関する重要な注意事項
• シェルによりEMIシールド性能が向上します
• ロックバーによりコネクタの抜けを防止します
正しい組み立ては、以下の点において重要なポイントになります。
• 機械的信頼性
• シグナルインテグリティー

参考資料: アッセンブリ マニュアル
7. シェル半田付けに関する注意事項
以下の部品を正しく半田付けを行う
• シェル
• グランドバー
効果
• 安定的なグランディング
• シグナルインテグリティーの向上

8. まとめ
以下の点を成立させる為には、ハーネスの設計上のポイントを理解することが重要となります。
• 信頼性の高い電気的性能
• 安定した機械的接続
• EMIおよびクロストークの低減




