熱伝導率制御に関する技術実証研究

I-PEX Piezo Solutionsが提供する Pt/ZrO₂ バッファ層付き Si 基板「KRYSTAL® Wafer」を活用し、強相関酸化物である LaNiO₃ 薄膜をシリコン基板上に高品質に成長させ、電気的操作によって熱伝導率を可逆的に制御する技術を実証しました。本研究は、KRYSTAL® Wafer がもつ優れたエピタキシャル成長環境によって LaNiO₃ の高度な機能発現が可能になったことを示すものであり、熱制御デバイス開発に向けた新たな技術的可能性を切り開く成果となっています。

 

従来、この種の機能材料は LSAT や YSZ などの高価な単結晶基板上でしか十分な性能が得られず、産業応用にはコスト面や生産性の面で課題がありました。

本研究では、Pt/ZrO₂ のバッファ層を用いることで、一般的な Si 基板上でも LaNiO₃ をエピタキシャル成長させることに成功し、その結晶性が単結晶基板に匹敵するレベルに達していることを実験的に確認しています。これは、従来 Si 基板では期待されていなかった高い熱スイッチング性能が達成されたことを意味します。

これらの成果は、熱伝導率の制御を必要とするデバイス開発、とりわけ熱トランジスタや熱マネジメント機能を備えた次世代エレクトロニクスの実現に向けて重要なステップとなります。特に、Si 基板という半導体産業の標準基盤上で高性能の熱制御材料が動作することが確認された点は、実用化に向けた大きな前進であり、製造プロセスへの組み込みや量産性の観点からも大きなビジネス価値を持つ成果と言えます。

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※技術論文は英語版のみとなります。